(C)芥見下々/集英社
画像:『呪術廻戦』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトより引用
主人公の虎杖悠治が、とある事件をきっかけに呪術界に巻き込まれていく物語である。
そこでたくさんの敵味方に出会い、時には無力さにぶつかり、時には成長し打ち勝ち自分の運命と向き合う、そんな物語。
敵味方問わず愛着が持てるキャラが続々と出てくる呪術バトル漫画である。
『呪術廻戦』のオススメレビュー
この作品は「呪術」という日本独自のジャンルが物語の軸なのでとても話に入りやすい。呪術師対、呪霊や呪詛師(呪術を使い人間を殺す事を生業にする者達)。
最近の小説や漫画に多い「主人公チート」モノや「俺TUEEE」系とは違い、主人公の虎杖はそもそも、「持たざる者」であり(身体能力が一般人より優れてる程度)、意図しなかった出来事から呪術界に巻き込まれていく、そして回りを巻き込んでいく、そんな作品になっているのが良いと思う。
また登場人物が敵味方を問わず魅力的なのもこの作品の特徴とも言える。例えば主人公の虎杖の恩人でもあり、通っている呪術学校の担任でもある五条悟は敵味方共に恐れられ、慕われる「現代最強術師」である。しかし決して「不敗」ではないのである。圧倒的な強さと味方として見ていて安心感のある五条先生だが、その「最強」にも攻略方法はあり呪詛師と呪霊の緻密な計算と策略は、この作品の面白さの象徴とも言えるだろう。
もちろん、敵キャラにも魅力は満載だ。敵の呪詛師の頭は、五条先生のかつての同級生でもあり呪詛師に堕ちた故に五条先生によって殺されたはずの人物である。五条先生を封じる為に暗躍し、二人が再会するシーンは五条悟の表情、リアクションが印象的であり鳥肌ものである。
ここまで述べたように主人公以外にも魅力的なキャラが、背景が設定が盛りだくさんで飽きないのはこの作品の唯一無二であることは間違いない。
この漫画を読むにあたって難しい点を挙げるとすると、各キャラの術式(能力)が少し理解しにくいかもしれない。だが単行本で作者が細かく解説してくれるので、気になる人はそれを読めば問題なしである。
間違いなく、これから日本の漫画の代表作に入るそんなさくである。
(100話までのレビュー)