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画像:『東京卍リベンジャーズ(1)』(和久井 健)|講談社コミックプラスより引用
「東京卍リベンジャーズ」は主人公の花垣武道が元カノの死をきっかけに、タイムリープを駆使して、これまでの駄目駄目な自分と人生に命をかけてリベンジに挑むヤンキーSFサスペンスです。
『東京卍リベンジャーズ』のオススメレビュー
東京卍リベンジャーズを読んでいると、この作品からは90年代の名作ヤンキー漫画「特攻の拓」へのオマージュを感じる。登場人物の多くがどこか特攻の拓とダブる感じであり、作者の和久井健はこの作品の絵のタッチをあえて特攻の拓に寄せて描いている気さえしてくる。
とすれば、当時リアルタイムで特攻の拓を読んでいた今の40代にもこの作品が人気なのは至極当然のこと。でも、ただ懐かしいだけではない。東京卍リベンジャーズが面白いのは、良き時代のヤンキー漫画を軸に、タイムリープというSF的要素とサスペンスが融合した稀有な作品だということである。
主人公は最悪の現在を変えるために過去へタイムリープし、問題と正面からぶつかり奮闘していく。そして、それなりに頑張って過去で結果を残し、現在へと戻ってみれば、良くなっているはずの状況が何故かもっと悪くなっている始末。いったいなぜ?どうして?もしかして誰かが?
こういったSFサスペンスと、ヒーロー漫画やヤンキー漫画の最大の魅力である登場人物たちの成長といった要素が上手くミックスされている。
さらに、キャラクターが全員カッコ良くていい奴ばかりなので、ヤンキー世界に興味がなくても、各キャラクターに否応なく興味を持ってしまう。特に、武道を取り巻く東卍のメンバーがマイキーをはじめ全員ヤバイくらい魅力的。
見た目はもちろんですが、東卍のメンバーが仲間一人一人を思いやる姿や気持ちが毎回描かれていてグッとくるものがあります。もちろん、ヤンキー漫画ですので、タイマンやチーム間抗争など暴力的描写もありますが、リアル過ぎず、偏り過ぎずで物語とのバランスが取れている。
先日実写による映画化が決まりましたが、若手イケメン俳優ばかりのキャスティングだった。アイドル映画かよと揶揄される方もいるかもしれませんが、東京卍リベンジャーズは実際イケメンしかいないのだから仕方がない。
(9巻までのレビュー)