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画像:薬屋のひとりごと | ビッグガンガン | SQUARE ENIXより引用
後宮下女として働く猫猫(マオマオ)は、とある事件を解決したことから玉葉妃(ぎょくようひ)の侍女となった。元々薬屋として働いていた猫猫が、その知識を使い後宮内での事件を次々と解決していく。
『薬屋のひとりごと』のオススメレビュー
最初はあまり興味を引かれなかった。おすすめマンガや広告によくジャケットが表示されたし、店頭で作品紹介を見ても、買うまででは無いと思い、手に取ることはしなかった。
しかし、たまたま利用した無料漫画マンガアプリの中に「薬屋のひとりごと」が配信されていたため、何の気無しに読んでみたところ、これが面白い。課金を自重していたにも関わらず既巻本を一気買いしてしまった。
舞台は中国を彷彿とさせる、「帝」が統べる国。帝の妃候補の女性が住まう「後宮」と呼ばれる場所で下女(世話係)をしている猫猫(マオマオ)の視点で物語は始まる。
薬師として働いていた猫猫だったが、薬草を取りに出掛けたところ人攫いに遭い、無理矢理後宮で下働きすることとなった。
とはいえこの猫猫、まだ10代後半の年齢にも関わらず、物事を達観していて、「仕方ない、そのうち出れるだろう」と悲観することも怒り狂うこともなく日々を過ごしていく。
後宮内のゴタゴタに巻き込まれないように、薬師という身分も、文字が読めるということすらも隠し、「冴えない一下女」という立場を貫いていく猫猫。
しかし、ひょんなことから宦官「壬氏」にその才を見止められ、妃の侍女へと出世することとなる。
よくあるシンデレラストーリーかと思いきや全然違う。前述した「ひょんなこと」とは、とある事件を猫猫が解決したためであり、それこそがこの作品の見所である。
作品を通して随所に「謎掛け」が用意されている。科学的に、とはいえ時代背景が随分と古いのだが、オカルト的な噂話が猫猫の知識によって解決されていく様は圧巻である。
達観した思考を持ちながらも、何だかんだとお人好しな猫猫が、少しずつ後宮の人間と仲良くなっていく様子も微笑ましい。今後もどんな展開が待ち受けているのか、期待したい。
(5巻-26話までのレビュー)