(C)米スタジオ・Boichi/集英社
画像:『Dr.STONE』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイトより引用
ある日突然、地球上にいるすべての人間が石化してしまうという事件が発生。自力で復活を果たした千空は、仲間を集め石化の謎を解くため、大冒険へと出発する。稲垣理一郎とBoichiniによる、痛快SFファンタジー。
『Dr.STONE』のオススメレビュー
Dr.STONEは、ある日突然地球上にいるすべての人間が石化。約4000年後に主人公の腺腔が復活を果たし、人類石化の謎を解くため仲間と大冒険する物語。笑いあり、涙ありで読む者を飽きさせること事はない。
この漫画の見どころは、手に汗握る頭脳バトルと、個性豊かなキャラクターが繰り広げる人間ドラマだろう。千空率いる科学王国は、武芸に秀でた人物はほとんど見当たらない。コハクや金狼がいるくらいで、武力にものを言わせて攻められると、あっという間に滅ぼされてしまう。そのような圧倒的不利な状況でも、千空やゲンを中心に、頭をフル回転させて乗り切るシーンは、ハラハラしながらページをめくっていた。ジャンプ定番の迫力あるバトルシーンはあまりないが、知力を尽くした頭脳戦は見ごたえ十分。
またこの漫画では、数多くのキャラクターが登場する。どのキャラクターも個性が強いが、うまく主人公を引き立てている。彼らが織りなす人間ドラマは、一見の価値あり。中でも銀狼が、敵の重大な秘密を探りだしたために瀕死の重傷を負い、駆け付けたコハクはこのままでは助からないと、共に石化する道を選ぶシーンは、落涙すること間違いなし。銀狼は肝心なところで他人に丸投げするゲス野郎だが、彼も戦士の矜持を持っていて見直した。コハクは自分の命を顧みず、仲間を助けるために即座に行動したところがすごい。男だったらマジで惚れる。
ただちょっと残念だったのは、大樹の能力が人間離れしすぎていること。そんな力で状況を打開されても面白みがない。フィクションだからある程度はいいけど、もう少し抑えてほしかった。
(14巻までのレビュー)